米国判例-平面的な1図のみで立体的な部分意匠を認定

2020/02/10

In Re Ron Maatita CAFC判決

図面の開示方法に関するものですので、ご紹介します。

本件出願人は、運動靴の「靴底」についての意匠出願を2011 年10 月24 日に出願しました(出願番号29/404,677)。
クレームにかかる「靴底」のデザインは、下記に示す平面図のみで特定しております。一般に、凹凸を明確にするために、側面図、断面図や斜視図を提出することが一般的なのですが、本件出願では、「平面図のみ」で立体物品のデザインを特定しようとしている点が問題の所在です。
なお,下記図中,実線で示された部分がクレームされた部分です。破線で示された部分は,デザインの背景であり,クレームの一部ではありません。

https://www.dpdi.jp/wp-content/uploads/2020/02/USD861302S1.pdf

米特許商標庁は、米特許法112条に定める明細書記載要件(「実施可能要件」及び「明確性要件」)を満たさないとして本件出願を拒絶しました。しかし、CAFC(連邦巡回控訴裁判所)は、立体物品たる靴底のデザインは「平面図のみ」で特定可能と判断し、同庁の審決を取り消しました。

本判決を受け、今後の米国意匠出願では、立体物品も平面図のみで特定することが許容され得ることから、より広い権利取得が可能となりそうです。

詳細な解説は、以下をご参照ください。

https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3206