新たなタイプの意匠に関する各国制度比較

2020/11/22

◆質問:「令和2年の意匠法改正で新たに保護対象となった意匠(物品に化体しない画像意匠、建築物や内装の意匠、これらを構成要素とする組物の意匠)がありますが、これらは各国へ優先権主張して意匠出願することができるのでしょうか?

◆回答:

(1)物品に化体しない画像意匠:

・GUIそのものを指定して意匠登録できるのは欧州共同体意匠のみです。

・米国や韓国では形式的ではあるのですが物品を指定した形の部分意匠としてGUIが保護されます。

・中国では全体意匠の要部としてGUIを保護できます。

(2)建築物及び内装の意匠:

・建築物の意匠が登録できるのは、米国、欧州共同体意匠、中国です。

・内装の意匠は米国と欧州共同体意匠で登録ができます。

(3)組物の意匠

・米国、欧州共同体意匠、中国、韓国のいずれも組物の意匠を保護する仕組みがあります。

・米国→物品の名称を「set of~」とし、「単一の製造実体(a single entity of manufacture)」であることを明確にするとよさそうです(包装容器に入った物品の登録例あり)。

・欧州共同体意匠→構成物自体も単独の製品であり、同時販売かつロカルノ分類の1クラスに含まれることが必要です。

・中国→国際意匠分類の大分類が同一、同時販売・同時使用、同一の設計思想であり、組合せ後の使用価値があることが必要です。

・韓国→2以上の物品で構成され、同時使用、全体として統一性があることが必要です。

 

※情報ソース:令和元年度特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書

「新たなタイプの意匠及び部分意匠の審査に関する調査報告書」(令和2年2月)

https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota/document/zaisanken-seidomondai/2019_01_01.pdf

 

以上

 

 

 

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Posted by dpdiguest