画像・建築物・内装の意匠に関する日本意匠公報検索方法 -Part2-

前回(2021年3月28日)に「画像・建築・内装の検索方法」に関する記事を公表いたしました。この記事は、特許庁が発表している「画像・建築・内装の意匠 調査方法マニュアル」のポイントをご紹介したものでした。

その後、2022年6月29日に前記「画像・建築・内装の意匠 調査方法マニュアル」が更新されまして、 画像・建築・内装の意匠をJ-PlatPatで検索する際にさらにいくつか留意すべきことがでてきましたので、以下、そのポイントをご紹介します。

◇情報ソース: 2022年6月29日更新「画像・建築・内装の意匠 調査方法マニュアル」

https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/seidogaiyo/document/isyou_kaisei_2019/image-chosa-manual.pdf

 

◆画像意匠の検索に際に留意すべきポイント

(1) 2ステップ検索:網羅的に検索するために、2回に分けて検索することが有効です。詳細は上記マニュアルをご参照ください。

(2) 類似語を前方一致させた略語のND検索:物品名で検索する際に類似する用語を含めるべきです。すなわち、画像意匠は、英語ではGraphical User Interfaceと称しますので、これをカタカナに変換するとともに各用語を「グラフィ」「ユーザ」「インタ」というように短くして、AND条件で検索しましょう。

(例)

・グラフィカル、グラフィック・・・

・ユーザ、ユーザー・・・

・インタフェース、インターフェース、インタフェイス、インターフェイス・・

(3)除外キーワード検索:重複する検索をなくし、効率的なサーチを行うためには[除外キーワード]の設定をすべきです。詳細は、上記マニュアルをご参照ください。

 

◆建築物の意匠を検索する際に留意すべきポイント

(1) 「建築物」と物品としての「組立家屋」等との関係:日本意匠分類のL0~L3630には、「建築物」の他、「組立家屋」等の物品も含まれているため、もし建築物に限定して検索したい場合には「組立家屋」等の物品を除外して検索を行う必要があります。なお、「建築物」と「組立家屋」等の物品は関連意匠登録が認められるなど、類似関係にあるため、意匠クリアランス調査(他人の意匠権を侵害していないかどうかを確認することが目的の意匠調査)の場合には「組立家屋」等の物品を除外しない方がよいと思います。

(2)日本意匠分類での検索におけるノイズに留意:日本意匠分類の定義上、上記の通りに検索をしても、検索結

果の一部に建築物以外の関連物品が含まれる場合がありますので、物品名や図面、意匠の説明も参考に、建築物を確認すべきです。

(3)種別ごとの絞り込み:建築物を種別ごとに絞り込んで検索したいばあいには、以下の分類等をご参照ください。例えば、「橋りょう」を調べたい場合、日本意匠分類・Dタームの「L25010」を中心に検索するとよいでしょう。

 

◆内装の意匠を検索する際に留意すべきポイント

【重要】L37は令和3年3月末までに出願された内装の意匠に使用されていた分類で、令和3年4月以降は廃止されました。しかし、このL37が付与された過去分の登録例を含めて検索するためには、以下のようにL37を含めるように検索する必要があります。

以上