新たな保護対象についての意匠登録事例(内装・建築・画像)

令和2年4月1日施行の改正意匠法で新たに保護対象として加わった空間デザイン(内装・建築)と画像デザインについての意匠登録出願件数(令和2年10月1日時点)は次の表に示した通り。

◆「画像」は、日本意匠分類N3台が付与され、「意匠に係る物品」の欄の記載に「画像」、「GUI」又は「アイコン」の語を含む意匠登録出願を計上(「GUI」には、「グラフィカルユーザーインターフェース」やその他の異表記を含む。)。

◆「建築物」は、日本意匠分類L0-0、L2~3台(L3-7を除く)が付与された意匠登録出願を計上。ただし、通常、主として物品を対象とする分類(L2-52台:ブロック、L3-2020:住宅衛生設備室 等)が付与されたもの、又は「意匠に係る物品」の欄の記載に「組立」の語を含むものを除く。

◆「内装」は、日本意匠分類L3-7が付与された意匠登録出願を計上。

 

【最近の意匠登録例】

最初に紹介する事例は、ミサワホームの「アルビオ・ザ・タワー千代田飯田橋」の共用部としてのラウンジの内装の意匠登録です。

最初にこの意匠登録を見たとき、どのような背景や目的があるのか全くわからなかったのですが、ミサワホームの決算説明資料で同社が初のタワーマンション分譲を手掛けていることを把握し、必死にネット検索して実施例を見つけ出しました!

2番目に紹介する事例は、フェラーリに代表される自動車のデザインおよびエンジニアリングなどを委託生産しているイタリアの自動車メーカー「ピニンファリーナ(Pininfarina S.p.A.)」のEVハイパーカー「Battista」最新プロトタイプの内装デザインに関する意匠登録です。改正意匠法で新たに保護されることになった内装デザインは、建物のみならず、自動車などの乗物の内装も保護対象になったということで、図面の作り方など今後の意匠実務で参考にすべきことが多い事例だと思います。

3つ目と4つ目の事例は、株式会社エブリーの「店舗の売場の内装」に関する意匠登録です。株式会社エブリーは動画配信サービスをしている会社なので、何故、内装デザインについて意匠登録しているのだろうと疑問に思い、ネットで調べてみたら、以下に記載したように、小売事業者と業務提携をしているようです。生鮮食品の買い物客をターゲットにして売場に固有のディスプレイを設置して料理レシピを紹介しながら必要な食材をその場で揃えてもらおうという新しい顧客体験を提供しようとしているようです。いわゆるUXデザインの一環としてこの意匠登録をしたものが今後重要なツールになってくると考えたのではないかと推察します。デジタル表示ディスプレイの上に印刷ボードを組み合わせただけのシンプルな構成からなる部分意匠ですので、用途をうまく特定することでこのような意匠登録が得られることを示しており、今後の実務で意匠の新しい捉え方として参考になると思います。

 

5つ目の事例は、Tポイントを基盤としたデータサイエンスを活用し、TSUTAYAや蔦屋書店、図書館などの公共サービス、出版といった様々な事業を通じて、新しいライフスタイルを共創する「CCC カルチャ・コンビニエンス・クラブ株式会社」の「書店の内装」に関する意匠登録です。後掲する特許庁発表の登録事例のものとは別のものとなります。

以下の事例は、特許庁が「令和元年意匠法改正特設サイト」で紹介している意匠登録例を転載したものです。詳細は、次のURLに一通りの情報が掲載されてますのでご参照ください。

https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/seidogaiyo/isyou_kaisei_2019.html