「建築物の外観・内装」の意匠図面(第二回)

(1-3)”Free-standing Deck”(US D754874)
おまけにもう一件、”Free-standing Deck”(US D754874)の図面も見てみましょう。

いかにも浜辺にありそうな、海の家のような建物ですが、この例でもFIG.1、FIG.2の斜視図には透視投影図(その中でも、三点透視図)が用いられています。
FIG.3からFIG.7は、平行投影図による一般的な六面図(底面図がないため、実際は五面図)になっています。
どうやら米国では、建築物の外観の意匠に(特に斜視図として)透視投影図を用いるのはスタンダードな方法のようですね。

建築物の外観・米国編のまとめ

建築物の外観デザインに関する米国の意匠登録例から、図面に関して以下のようなことが分かりました。

・外観デザインは「物品を外部から見た形態」であるため、図面の表現は通常の物品と近く、斜視図+六面図の組合せでの出願が多い
・建築物特有の図面表現として、「透視投影図」を用いる例が多い
・「透視投影図」のみを用いて出願している例もある
・「透視投影図」と「平行投影図」を併用している例もある(その場合、斜視図に「透視投影図」、六面図に「平行投影図」を用いている)